ラピュタロボティクス株式会社様では、AMR, AFLなどの自動化ソリューションの開発・導入・運用支援を行われています。
今回ご紹介するのは、自動フォークリフト(AFL)「ラピュタAFL」へ導入した事例です。ラピュタAFLの開発担当者の方に、無線非常停止デバイスの導入に関する話や感想などをお伺いしましたので、その内容をご紹介します。

1.無線非常停止デバイスを導入した経緯について教えてください。
自動搬送システムの開発において、特に今回のフォークリフトのような重量物を扱う機器では、作業者の安全確保が最重要課題でした。フォークリフト本体に非常停止ボタンはありますが、フォークリフトに近づく必要があるため、安全面で課題がありました。そのため、これまではフォークリフトと非常停止ボタンを長いケーブルで接続し、作業者とフォークリフトの距離を離すことで、安全を確保していました。しかし、ケーブルを引きずる運用となるため、ケーブルの取り回しに制約があり、作業者の機動性も制限されていました。そこで、より柔軟な安全制御を実現するため、無線非常停止システムの導入を検討することになりました。
2.無線非常停止デバイスを導入することで、どのような効果がありましたか?
自動フォークリフトの開発中はどのような動きをするかわからないため、試運転時にリモコンを持って作業しています。作業者が安全な位置からフォークリフトを監視でき、非常停止を確実にかけられるようになったため、安全性の問題は解決できました。また、以前は人間もフォークリフトと一緒に動く必要があり大変でしたが、ケーブルレスになることで作業性も向上しました。
弊社では自動フォークリフトの開発用途で複数台導入していますし、他社との実証運用でも複数台導入しています。
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3.無線非常停止デバイスを購入される前、どのような不安点がありましたか?
無線になることで「非常停止をかける際の応答時間がどれくらいなのか?」は不安な点でした。実際に使用してみると、応答時間は実用範囲内であり安心しました。また、リモコンのバッテリー持続時間も気にしていましたが、約40時間も連続稼働できるとのことで、バッテリーに関しても不自由なく使用できました。
無線非常停止デバイスの導入台数を複数台にした当初、隣接する周波数チャンネルを使用していたことで、電波干渉が発生していましたが、周波数チャンネルの設定を見直すことで解決できましたので、複数台に関しても安定して運用できています。
4.無線非常停止デバイスを購入した決め手となったポイントを教えてください。
決め手は3つあります。
- 技術基準適合証明を取得済みであり、特別な手続き不要で、購入後すぐに使用できること。
- 安全規格(ISO 13849-1)に対応していること。
弊社は安全規格対応に力を入れており、フォークリフトの安全制御部はPLd/eとなっているため、無線非常停止デバイスがPLdであることも良かったです。安全規格に対応していない非常停止は信頼性が低いため、安全規格はお客様にもセールスポイントになります。 - 国内メーカーが製造、販売していること。
5.無線での非常停止に関する安心感や信頼性についてどう感じていますか?
安全規格に対応していることが、信頼性につながることは言うまでもないですが、危険な作業を遠くから見守れる、作業者が巻き込まれない位置で監視できることは安心化につながっています。また、無線通信が不安定な状態であっても、無線が途絶した際は自動で非常停止がかかり、安全方向に動作するため、「非常停止ボタンを押したのに停止しなかった」ということがない点も安心です。
6.弊社からのサポートやアフターサービスについて感想を教えてください。
問い合わせには迅速に対応していただけ、短納期での供給体制が整っており、必要なサポートを適切なタイミングで受けられています。